肥満型・痩せ型・標準体重型など、体系別に過食症のタイプや原因について情報をまとめています。むちゃ食い障害との違いや治療法についても解説しています。
過食とは読んで字のごとく、食べ過ぎることを意味しますが、「過食症」は単なる食べ過ぎとは異なります。過食症になると自己嫌悪になったり、気分が落ち込んだりと心に大きな悪影響を及ぼします。専門機関で適切な治療を受けるようにしましょう。
過食症は、嘔吐・下剤などの薬物依存があるタイプ(排泄型)と、そうでないタイプ(非排泄型)に分けられます。
過食嘔吐を繰り返していると脳と身体が栄養を欲しがるため、少しでも栄養を蓄えようと少しの食事でも太りやすくなり、さらに過食が進み肥満型の過食症になるケースも。
逆に、過食嘔吐を繰り返すうちに太る恐怖心からまったく食べ物を受け付けなくなる「絶食」に陥り、どんどん痩せてしまう拒食型になる人もいます。なかには、標準体重をキープしていても、過食嘔吐を繰り返す人もいます。
過食症をはじめとする『摂食障害』は、食行動の異常に基づく原因不明の難冶性の疾患です。これまでに各国で多くの研究が進められていますが、明確な原因は未だ明らかになっていません。諸説では、生物学的要因(脳内のセロトニンやアドレナリンの機能異常)と心理的要因(自我発達の未熟性)、社会的要因(家族友人関係におけるストレス)などが複雑に絡み合って摂食障害につながると考えられています。
例えば、人間関係・仕事・勉強などの精神的負担や、極度のプレッシャーが原因となり「ネガティブな気持ちから逃れたい」という動機から起こるもの。お腹が空いていないのに、不安や焦燥感から無意識に食べ過ぎてしまい、胃袋を満たすことでストレスから逃れようとしてしまうのです。
過食を繰り返すうちに、罪悪感や自己嫌悪感がつのり、心の状態はさらに悪化。過食症は深刻な低栄養状態になることはあまりないため、通常は外来通院によって心理療法・薬物療法による治療が行われます。
ほとんどの場合、適切な治療を行えば症状の改善が期待できますが、未治療のまま代償行為を繰り返していると、病気が慢性化する恐れも…。過食と嘔吐を1週間以上続けている場合は、専門機関を受診してください。
過食症で排泄行為(嘔吐)が認められる場合は過食症と認められますが、代償行為のない非排泄型の場合は過食症として認められず、むちゃ食い障害として分類されます。むちゃ食い障害は過食症と同じように大食を繰り返してしまいますが、体型や体重にそれほど左右されず、過食をコントロールできない自分に罪悪感を抱く状態です。
治療法は行動的減量プログラムのほか、認知行動療法・食欲抑制薬の服用など、むちゃ食いの頻度や患者の性格・生活リズムに併せて行なわれているようです。
ほかにも、過食の頻度が週2回以下だが慢性化している人、過食はしないけれど体重を減らすために嘔吐したり下剤を服用したりしている人、大量の食べ物を飲み込まずに吐き出す(チューイング)を続けている人も、摂食障害として扱われます。
過食症に分類されないこれらの症状にかんしても、病院で治療を受けられます。「自分じゃどうすることも出来ない…」とお悩みの方は、一度お医者さんに相談してみてはいかがでしょうか?
【免責事項】
「過食症を克服したい人のための治療なび」は2013年7月時点の情報を基に制作したサイトです。
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■過食症の治療法について
過食症の治療は一般的に大きく分けて、カウンセリングなどを用いて行動や精神分析を行い、症状の改善を目指す心理療法や、うつや不安障害などを緩和するために行う薬物療法、不足した栄養を補うことでメンタル面や症状の改善を試みる栄養療法など様々な療法があります。
過食症治療について、基本的に自費診療となり全額負担となりますが、医師の診断により、認知行動療法に対し保険適用となることもあります。詳しくは治療を受ける病院・クリニックにご確認をお願い致します。
■過食症の治療費用について
また、病院によって料金は異なりますが、カウンセリング1回60分あたり10,000円~20,000円、サプリメントの処方は1カ月で約40,000円、薬のみ処方の場合は1回で5,000円程度と言われています。
■過食症治療における期間やリスクについて
治療期間や回数含め、すべて個人の状態や病院・クリニックの治療内容により異なりますので、治療を受ける前にご不明な点は医師に直接確認し、ご納得されてから治療をうけるようにしましょう。
抗うつ剤を使用した治療の場合、口が渇く、便秘、尿が出にくくなる、立ちくらみがするなどの副作用が出る場合があります。
治療の詳細については、各クリニックへ事前にお問合せすることをおすすめします。